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画像読み込みが遅い問題を解決!Webサイト表示速度を劇的に改善する5つの秘策

画像読み込みが遅い

Webサイトの表示速度が遅くて困っていませんか? ユーザーの離脱、SEO評価の低下、コンバージョン率の低下… その原因は、もしかしたら画像かもしれません。この記事では、画像読み込みが遅い原因を徹底解説し、具体的な改善策をステップバイステップでご紹介します。あなたのWebサイトを劇的に高速化し、ユーザー満足度と成果を最大化しましょう!

画像読み込みが遅いと何が問題?

Webサイトの表示速度が遅いと、ユーザー体験を損なうだけでなく、ビジネスにも深刻な影響を与えます。特に、画像ファイルが最適化されていない場合、表示速度の低下は顕著になり、以下のような問題を引き起こします。

表示速度が遅いことによる3つのデメリット

Webサイトの表示速度が遅くなることによって発生する、ユーザーの離脱、SEO評価の低下、コンバージョン率の低下の3つの主要なデメリットを具体的に解説します。

  • ユーザーの離脱率の増加: 現代のユーザーは、表示に時間がかかるサイトに対して忍耐力がありません。わずか数秒の遅延でも、ユーザーは他のサイトに移動してしまう可能性が高くなります。これにより、せっかく訪れてくれたユーザーを逃してしまい、機会損失に繋がります。
  • SEO評価の低下: Googleなどの検索エンジンは、ユーザー体験を重視しており、表示速度の遅いサイトを検索結果で低く評価する傾向があります。特に、Googleが提唱するCore Web Vitals(コアウェブバイタル)は、表示速度を含めたユーザー体験を測る指標として重要視されています。表示速度が遅いと、これらの指標が悪化し、検索順位が下がる原因となります。
  • コンバージョン率の低下: 表示速度の遅さは、ユーザーの購買意欲や問い合わせ意欲にも影響を与えます。商品ページへのアクセスや、申し込みフォームの入力などが遅延すると、ユーザーは途中で断念してしまう可能性が高まります。結果として、サイトのコンバージョン率が低下し、ビジネスの成果に直結します。

なぜ画像の読み込みは遅くなるのか?原因を徹底解剖

前のセクションでは、画像読み込みの遅さが引き起こす様々な問題について解説しました。では、具体的にどのような原因で画像の読み込みは遅くなってしまうのでしょうか? このセクションでは、Webサイトの表示速度を低下させる主な原因を5つに絞り、それぞれ詳しく解説していきます。

ファイルサイズが肥大化している

画像ファイルのサイズが大きすぎると、当然ながら読み込みに時間がかかります。これは、高画質で保存された画像や、不要なメタデータが含まれている画像、あるいは意図せず大きなサイズで保存されてしまった画像などが原因で起こります。特に、Webサイトでは表示される画面サイズに対して画像が大きすぎたり、解像度が高すぎたりすると、ファイルサイズが不必要に大きくなってしまいます。これは、Webサイトの表示速度低下の最も直接的で一般的な原因の一つです。

画像フォーマットが適切でない

画像フォーマットには、JPEG、PNG、GIF、そして最近注目されているWebPなど、それぞれに特徴があります。例えば、写真のような色数の多い画像にはJPEGが適していますが、透過が必要なロゴやイラストにはPNGが適しています。GIFはアニメーションに適していますが、色数に制限があります。これらのフォーマットの特性を理解せず、用途に合わないフォーマットを選択してしまうと、ファイルサイズが不必要に大きくなったり、画質が劣化したりして、結果的に表示速度に影響を与えます。

サーバー側の問題

Webサイトの表示速度は、画像ファイルそのものだけでなく、画像を配信するサーバーの性能にも大きく依存します。サーバーの処理能力が低い、同時に多くのアクセスを処理できない、あるいはサーバーの帯域幅が不足している場合、画像データの転送に時間がかかり、表示速度が遅くなります。また、サーバーの設定が最適化されていなかったり、老朽化していたりすることも原因となり得ます。

CDNの活用状況

CDN(Contents Delivery Network)は、世界中に分散されたサーバーにWebサイトのコンテンツを配置し、ユーザーの所在地に近いサーバーからコンテンツを配信することで、表示速度を向上させるサービスです。しかし、CDNが導入されていなかったり、導入されていても画像ファイルが正しくキャッシュされていなかったり、設定に誤りがあったりすると、CDNの効果が得られず、画像読み込みが遅くなる原因となります。

ブラウザキャッシュの設定

ブラウザキャッシュとは、一度アクセスしたWebサイトの画像やCSSなどのデータをユーザーのブラウザに一時保存し、再アクセス時にサーバーから再取得するのではなく、ローカルのデータを利用することで表示速度を向上させる仕組みです。このブラウザキャッシュの設定が適切に行われていないと、ユーザーが再訪問した際に毎回画像データをサーバーから取得する必要が生じ、表示速度が遅くなってしまいます。特に、更新頻度の低い画像ファイルに対してキャッシュ設定が有効になっていない場合は、表示速度の低下に繋がります。

今すぐできる!画像最適化の具体的な方法

前のセクションでは、画像読み込みが遅くなる原因について詳しく見てきました。では、具体的にどのような対策を講じれば、画像の読み込み速度を改善できるのでしょうか? このセクションでは、Webサイトの表示速度を劇的に向上させるための、即効性のある画像最適化テクニックを網羅的に解説します。

画像フォーマットの選定:JPEG、PNG、WebPの使い分け

画像フォーマットの選択は、ファイルサイズと画質に大きく影響します。それぞれのフォーマットの特徴を理解し、画像の種類に応じて最適なものを選びましょう。

  • JPEG(.jpg, .jpeg): 主に写真やグラデーションが多いイラストに適しています。非可逆圧縮のため、ファイルサイズを小さくしやすい反面、圧縮を繰り返すと画質が劣化します。透過処理はできません。
  • PNG(.png): イラスト、ロゴ、アイコンなど、色の境界がはっきりした画像や、透過処理が必要な画像に適しています。可逆圧縮のため、画質劣化はありませんが、JPEGに比べてファイルサイズが大きくなる傾向があります。
  • WebP(.webp): Googleが開発した比較的新しいフォーマットで、JPEGやPNGよりも高い圧縮率で同等以上の画質を実現できます。可逆圧縮・非可逆圧縮の両方に対応し、透過処理も可能です。多くのモダンブラウザでサポートされていますが、古いブラウザでは表示できない場合があります。

一般的に、写真にはJPEGまたはWebP、イラストやロゴ、透過が必要な画像にはPNGまたはWebPを選択するのがおすすめです。迷った場合は、WebPを第一候補とし、互換性が懸念される場合はPNGやJPEGも併用するのが良いでしょう。

ファイルサイズの圧縮:おすすめツールと手順

画像フォーマットを選んだら、次にファイルサイズを圧縮します。ファイルサイズを小さくすることで、サーバーからのデータ転送量が減り、表示速度が向上します。

おすすめの圧縮ツール:

  • TinyPNG / TinyJPG (オンラインツール): PNGとJPEG画像をドラッグ&ドロップするだけで、自動的に最適な圧縮を行ってくれます。手軽に利用できるため、初心者にもおすすめです。
  • ImageOptim (macOS用デスクトップアプリ): 複数の圧縮アルゴリズムを組み合わせて、高品質な圧縮を実現します。バッチ処理も可能で、大量の画像を効率的に圧縮できます。
  • Squoosh (オンラインツール): Googleが提供する高機能な画像圧縮ツールです。様々なフォーマットに対応し、圧縮率と画質をリアルタイムでプレビューしながら調整できます。
  • WordPressプラグイン (例: EWWW Image Optimizer, Smush): WordPressを使用している場合、これらのプラグインを導入することで、画像をアップロードする際に自動的に圧縮してくれます。

圧縮の手順 (TinyPNGを例に):

  1. TinyPNGのウェブサイトにアクセスします。
  2. 圧縮したい画像ファイルをドラッグ&ドロップします。
  3. 自動的に圧縮が完了したら、ダウンロードボタンから圧縮後の画像を保存します。

必要に応じて、これらのツールで画質を調整し、表示速度と見た目のバランスが取れた画像を使用しましょう。

レスポンシブイメージの実装方法

ユーザーが利用するデバイス(PC、タブレット、スマートフォン)や画面サイズ、解像度に応じて、最適なサイズの画像を配信することが重要です。これにより、特にモバイルデバイスでのデータ通信量を節約し、表示速度を向上させることができます。

srcset属性とsizes属性を使用する:

<img>タグのsrcset属性とsizes属性を組み合わせることで、ブラウザがデバイスの画面サイズや解像度に合わせて最適な画像を選択して表示するよう指示できます。

<img
  src="image-small.jpg"
  srcset="image-small.jpg 500w, image-medium.jpg 1000w, image-large.jpg 1500w"
  sizes="(max-width: 600px) 480px, 800px">
  • srcset: 提供する画像のファイル名と、それぞれの画像の幅(w)を指定します。
  • sizes: 画面幅に応じて、画像の表示サイズ(px)を指定します。これにより、ブラウザはどのsrcsetの画像を選択すべきかを判断します。

この方法により、小さな画面では小さな画像、大きな画面では大きな画像を読み込むようになり、無駄なデータ通信を防ぎます。

遅延読み込みの実装:Lazy Loadとは?

遅延読み込み(Lazy Load)とは、ユーザーがスクロールして画像が表示範囲に入ったときに初めて画像の読み込みを開始する技術です。これにより、ページ全体の初期表示速度を大幅に改善できます。特に、ページ内に多数の画像がある場合に効果的です。

実装方法:

  1. JavaScriptを使用する: Intersection Observer API を利用するのが現代的で効率的な方法です。画像要素がビューポートに入ったことを検知して、src属性に指定した画像URLを、data-srcなどのカスタム属性からsrc属性にコピーして読み込ませます。<img src="placeholder.gif" data-src="actual-image.jpg" alt="説明文"> JavaScriptコードでIntersection Observerをセットアップし、data-srcの画像を読み込みます。
  2. ネイティブ遅延読み込み (loading="lazy"): HTMLの<img>タグや<iframe>タグにloading="lazy"属性を追加するだけで、ブラウザが自動的に遅延読み込みを実装してくれます。多くのモダンブラウザでサポートされており、特別なJavaScriptコードは不要です。<img src="actual-image.jpg" loading="lazy" alt="説明文"> 最も手軽で推奨される方法です。

CDNの活用で表示速度を加速

CDN(Contents Delivery Network)は、世界中に分散されたサーバーネットワークを利用して、Webコンテンツ(画像、動画、CSS、JavaScriptなど)をユーザーに最も近いサーバーから配信するサービスです。これにより、世界中のどこからアクセスしても、画像の読み込み速度を高速化できます。

CDN活用のメリット:

  • 地理的な距離の短縮: ユーザーの所在地に近いサーバーからコンテンツを配信するため、通信遅延が減少します。
  • サーバー負荷の分散: オリジナルのWebサーバーへの負荷が軽減され、安定した配信が可能になります。
  • 帯域幅の確保: 大容量の画像ファイルも効率的に配信できます。

主なCDNサービス:

  • Cloudflare
  • Amazon CloudFront
  • Akamai
  • Fastly

CDNサービスを導入することで、Webサイト全体の表示速度が向上し、ユーザーエクスペリエンスの改善に大きく貢献します。特に、グローバルなユーザーを抱えるWebサイトでは、その効果は絶大です。

Webサイトの表示速度を測定!おすすめツールと活用方法

前のセクションでは、画像最適化の具体的な方法について解説しました。しかし、これらの対策がどれだけ効果があったのか、また、そもそも何が原因で表示速度が遅くなっているのかを正確に把握するためには、Webサイトの表示速度を客観的に測定することが不可欠です。ここでは、Webサイトの表示速度を測定するためのおすすめツールと、それぞれのツールの使い方、そして測定結果をどのように分析し、具体的な改善策に繋げていくのかを解説します。

Google PageSpeed Insightsの使い方

Google PageSpeed Insightsは、Googleが提供する無料のWebサイト表示速度測定ツールです。URLを入力するだけで、サイトのパフォーマンスをスコアリングし、改善点に関する具体的な提案をしてくれます。まず、Google PageSpeed Insightsのウェブサイトにアクセスし、測定したいWebサイトのURLを入力して「分析」ボタンをクリックします。測定結果は、モバイルとデスクトップのそれぞれについて表示され、0から100までのスコアでパフォーマンスレベルが示されます。スコアだけでなく、その下に表示される「改善のための提案」セクションが重要です。ここには、画像最適化、JavaScriptやCSSの圧縮、レンダリングブロックリソースの削減など、具体的な改善項目がリストアップされています。各項目には、その改善がもたらす効果の大きさも示されているため、優先順位をつけて取り組むことができます。例えば、「次世代フォーマットでの画像の配信」や「未使用のJavaScriptの削減」といった項目は、画像最適化と並んで表示速度改善に大きく貢献します。

GTmetrixでの測定と分析

GTmetrixもまた、Webサイトの表示速度を詳細に分析できる人気のツールです。Google PageSpeed Insightsと同様にURLを入力して測定を行いますが、GTmetrixはより詳細なパフォーマンスレポートを提供します。測定結果では、パフォーマンススコアに加えて、ロード時間、ページサイズ、リクエスト数といった指標が表示されます。さらに、「Waterfall」チャートでは、各リソース(HTML、CSS、JavaScript、画像など)が読み込まれるまでの時間と順序を視覚的に確認できます。これにより、どのリソースの読み込みに時間がかかっているのか、ボトルネックとなっている箇所を特定しやすくなります。GTmetrixのレポートには、「Performance」タブと「Structure」タブがあり、それぞれ異なる視点からサイトのパフォーマンスを評価します。「Structure」タブでは、Core Web Vitalsの各指標(LCP, FID, CLS)の測定値も確認でき、SEOへの影響も考慮した分析が可能です。これらの詳細な分析結果を元に、画像フォーマットの見直し、不要なスクリプトの削除、リソースの並列読み込みの最適化などを検討します。

Lighthouseを活用した改善

Lighthouseは、Google Chromeブラウザに標準搭載されている、オープンソースの自動化されたツールのスイートです。Webページを監査し、パフォーマンス、アクセシビリティ、SEO、プログレッシブウェブアプリ(PWA)といった様々な側面から改善のための指標を提供します。Lighthouseを利用するには、Chromeで対象のWebサイトを開き、開発者ツール(F12キーで起動)を開き、「Lighthouse」タブを選択します。ここで、監査するカテゴリ(パフォーマンス、アクセシビリティ、SEOなど)を選択し、「Analyze page」ボタンをクリックします。測定結果は、各カテゴリごとにスコアと改善提案のリストで表示されます。特にパフォーマンスの項目では、前述のPageSpeed InsightsやGTmetrixで確認できるような詳細な指標に加え、レンダリングブロックリソースの特定や、画像の遅延読み込み(Lazy Load)の推奨などが提示されます。Lighthouseの利点は、ブラウザ内で直接実行できるため、手軽に様々な角度からサイトを評価できる点にあります。これらの提案を一つずつ確認し、実装していくことで、Webサイト全体の品質向上と表示速度の改善に繋げることができます。

Core Web Vitalsとは?重要性と改善策

前のセクションでは、Webサイトの表示速度を改善するための具体的な画像最適化手法について解説しました。しかし、なぜ表示速度の改善がそれほど重要なのでしょうか? その答えの鍵を握るのが、Googleが提唱する「Core Web Vitals」です。このセクションでは、Core Web Vitalsの概要、SEOへの影響、そして画像最適化を通じてこれらの指標を改善する方法について詳しく解説していきます。

Core Web VitalsがSEOに与える影響

Core Web Vitalsは、Googleがユーザーエクスペリエンス(UX)を評価するために用いる指標群であり、検索エンジンのランキング要因としても考慮されています。具体的には、ページの読み込み速度、インタラクティブ性、視覚的な安定性といった、ユーザーが実際にページを体験する上での重要な側面を測定します。これらの指標が良好であれば、ユーザーは快適にサイトを閲覧でき、滞在時間の増加や離脱率の低下につながります。Googleは、ユーザー体験の向上を重視しており、Core Web Vitalsのスコアが高いサイトを検索結果で優遇する傾向があります。したがって、Core Web Vitalsの改善は、単にサイトを速くするだけでなく、SEO評価の向上、ひいては検索順位の上昇に直結すると言えるのです。

Core Web Vitalsを改善するための具体的な方法

Core Web Vitalsの主要な3つの指標(LCP, FID, CLS)は、画像最適化と密接に関連しています。それぞれの指標について、画像最適化を通じてどのように改善できるかを具体的に見ていきましょう。

1. LCP (Largest Contentful Paint) の改善: LCPは、最も大きなコンテンツ要素(通常は画像や動画)が表示されるまでの時間を測定します。画像の読み込み速度が遅いと、LCPのスコアは悪化します。これを改善するには、以下の画像最適化が有効です。

  • 画像フォーマットの選定: JPEG、PNGに加え、より高圧縮で高品質なWebPフォーマットの利用を検討しましょう。WebPはファイルサイズを大幅に削減できるため、LCPの改善に大きく貢献します。
  • ファイルサイズの圧縮: 画像編集ソフトやオンラインツール(TinyPNG, Compressor.ioなど)を用いて、画質を損なわずにファイルサイズを圧縮します。これにより、ダウンロード時間が短縮され、LCPが改善されます。
  • 遅延読み込み(Lazy Load): 画面に表示される画像から順次読み込むように設定します。これにより、初期表示に必要な画像のみが先に読み込まれ、LCPの測定対象となる要素の表示が速くなります。
  • CDNの活用: コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)を利用することで、世界中のユーザーに対して、地理的に近いサーバーから画像を配信できます。これにより、画像ファイルのダウンロード時間が短縮され、LCPが改善されます。

2. FID (First Input Delay) の改善: FIDは、ユーザーが最初にページ上の要素(ボタンやリンクなど)とインタラクション(クリックやタップ)を行ってから、ブラウザがそのイベントに応答するまでの遅延時間を測定します。JavaScriptの実行などが原因で発生することが多いですが、画像読み込みが完了していないと、インタラクティブな要素の操作も遅れる可能性があります。

  • 不要な画像の削減: ページのデザインに必要な最低限の画像に絞り込みます。過剰な画像は、ページ全体の読み込み時間を増加させ、FIDにも間接的に影響を与える可能性があります。
  • 最適化された画像フォーマットと圧縮: LCPと同様に、ファイルサイズを小さくすることで、ページ全体の読み込みが速くなり、結果としてFIDの改善にもつながります。

3. CLS (Cumulative Layout Shift) の改善: CLSは、ページ表示中に予期しないレイアウトシフト(要素が動くこと)が発生した合計量を測定します。画像が読み込まれる際に、まだサイズが確定していないために、後続のコンテンツがずれてしまうことが原因で発生することが多いです。

  • 画像に widthheight 属性を指定: HTMLの <img> タグに widthheight 属性を明示的に指定することで、ブラウザは画像が表示される前にその領域を確保できます。これにより、画像読み込み後にレイアウトが崩れるのを防ぎ、CLSを大幅に改善できます。
  • レスポンシブイメージの実装: srcset 属性や <picture> 要素を使用して、デバイスの画面サイズに応じて最適なサイズの画像を読み込むようにします。これにより、不要に大きな画像が読み込まれるのを防ぎ、レイアウトシフトのリスクを低減できます。

これらの画像最適化手法を適切に実施することで、Core Web Vitalsの各指標を効果的に改善し、結果としてWebサイトのSEO評価とユーザーエクスペリエンスの向上を実現できます。

成功事例と失敗事例から学ぶ画像最適化

これまでのセクションで、画像最適化の必要性や具体的な手法について解説してきました。しかし、理論だけでは実践における落とし穴に気づくことが難しい場合もあります。そこでこのセクションでは、実際に画像最適化に取り組んだWebサイトの成功事例と失敗事例をご紹介し、そこから得られる教訓を学びます。これにより、読者の皆様がご自身のWebサイト運営において、より効果的かつ安全に画像最適化を進めるための一助となることを目指します。

成功事例:劇的に表示速度が改善したWebサイト

あるECサイトでは、商品画像が中心であるにも関わらず、表示速度が遅いという課題を抱えていました。そこで、以下の画像最適化施策を段階的に実施しました。

  1. 画像フォーマットの統一と最適化: 全ての商品画像を、軽量で高画質を維持できるWebP形式に変換しました。特に、写真にはJPEGよりも適したWebPの特性を活かし、ファイルサイズを約40%削減することに成功しました。
  2. 遅延読み込み(Lazy Load)の導入: 画面に表示されている画像から順に読み込む「遅延読み込み」を導入しました。これにより、初期表示に必要なデータ量が減少し、ページの表示速度が大幅に向上しました。
  3. レスポンシブイメージの適用: 異なる画面サイズ(PC、タブレット、スマートフォン)に応じて最適なサイズの画像を読み込むように設定しました。これにより、特にモバイルユーザーのデータ通信量と表示時間を削減しました。

これらの施策の結果、ページの表示速度は平均で約2.5秒短縮され、ユーザーの直帰率が15%低下、コンバージョン率が8%向上するという劇的な成果が得られました。この事例から、複数の最適化手法を組み合わせることの重要性と、ユーザー体験の向上に直結することがわかります。

失敗事例:改善に繋がらなかったケースとその原因

一方で、あるブログサイトでは、記事内の画像をすべてJPEGからPNGに変換したものの、期待したほどの表示速度改善が見られませんでした。さらに、一部の画像ではファイルサイズが増加してしまうという逆効果も招いてしまいました。その原因を分析したところ、以下の点が挙げられました。

  1. 不適切なフォーマット選定: ブログ記事で扱う画像は、写真のようなグラデーションが多いものから、図やアイコンのようなシンプルなものまで様々です。このサイトでは、写真にも透過PNGを使用したり、色数の少ないイラストにまで高圧縮率ではないPNGを使用したりしていました。本来であれば、写真にはJPEG(またはWebP)、イラストやアイコンには透過PNG(またはSVGやWebP)といった、画像の種類に応じた最適なフォーマットを選ぶべきでした。
  2. 過度な圧縮による画質低下: ファイルサイズを小さくすることだけを重視し、圧縮率を上げすぎた結果、一部の画像でモザイクがかかったようになり、視覚的な品質が著しく低下してしまいました。これにより、ユーザーが情報を理解しにくくなり、結果的にサイトの評価を下げる可能性もありました。
  3. 最適化ツールの誤った利用: 自動でファイルサイズを圧縮するツールを使用しましたが、設定を誤り、意図しない品質低下を招いたケースもありました。

この失敗事例から、画像最適化においては「画質を維持しつつ、適切なフォーマットで、必要最低限のファイルサイズにする」というバランス感覚が非常に重要であることがわかります。単にツールを使ったり、フォーマットを変更したりするだけでなく、画像の種類や用途を理解し、目的に合った方法を選択することが、成功への鍵となります。

まとめ:画像最適化でWebサイトを高速化!

これまで、画像読み込みの遅さが引き起こす様々な問題、その原因、そして具体的な解決策について詳しく解説してきました。ファイルサイズの圧縮からフォーマットの選定、遅延読み込みの実装、さらには表示速度測定ツールの活用やCore Web Vitalsへの対応まで、画像最適化はWebサイトのパフォーマンスを劇的に向上させるための鍵となります。

これらの施策を地道に実施することで、ユーザーエクスペリエンスの向上、SEO評価の改善、そして最終的にはコンバージョン率の向上へと繋がります。あなたのWebサイトが抱える表示速度の問題を、画像最適化を通じて解決し、ビジネスの成長を加速させましょう。

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この記事の監修者

脇村 隆

1997年のインターネット黎明期よりWeb制作に従事。イニット(現・トランスコスモス)、ぴあデジタルコミュニケーションズ、NRIネットコム等にて、HTMLコーダー、ディレクター、プロデューサー、コンサルタントとして大手企業Webサイト構築の上流から下流まで一貫して担当。
コーポレート/サービス/金融機関サイトの再設計や情報設計を軸に、自然検索からの集客向上とCV改善を多数実現。2012年にプラス・ムーブメント合同会社を設立し、14期目を迎える現在もWebサイト制作・PR支援を展開。商工会・自治体をはじめ公的機関案件を12年連続で継続支援し、運用内製化や業務効率化(kintone等)まで伴走。
単著『アフィリエイターのためのWeb APIプログラミング入門』をはじめ、各種セミナー登壇多数。GUGA 生成AIパスポート(2025年6月取得)を保有。
現在は「AIミライデザイナー」代表として、戦略立案からWebサイト実装・SEO対策、集客後のAI・DX推進までを伴走型でワンストップ提供。