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【中小企業向け】成果を生むサイト設計のための目的設定チェックリスト

中小企業向け 成果を生むサイト設計のための目的設定チェックリスト

中小企業がウェブサイトを新しく立ち上げたり、リニューアルしたりするとき、「ただ見た目がきれい」「とりあえず存在していれば良い」という感覚で進めてしまい、あとで成果が出ず後悔するケースが少なくありません。 本記事では、サイトの目的を明確に設定し、それを実現するための設計が行えるようになる 目的設定チェックリストをご紹介します。 このチェックリストをもとに設計を進めれば、サイト制作が“飾り”ではなく“働く営業マン”になります。

目的設定チェックリスト

  • 1. サイトを持つ “本当の理由” は何か?
  • 2. ターゲット(ペルソナ)を具体化しているか?
  • 3. 数値目標を設けているか?(KPI設計)
  • 4. 競合/類似サイトを分析しているか?
  • 5. 成果につながる主なコンバージョンは何か?
  • 6. 目的とページ構成が対応しているか?
  • 7. 導線設計(回遊・誘導)が設計されているか?
  • 8. 更新/運用しやすい仕組みか?
  • 9. SEO・アクセス解析との連携設計があるか?
  • 10. 社内の合意・決裁フローを整えているか?

以下、それぞれのチェック項目について詳しく見ていきます。

1. サイトを持つ “本当の理由” は何か?

(目的の明確化)

  • 単なる会社案内として持つのか、集客/リード獲得、販売、採用など 主目的 は何かを定義する
  • 「名刺代わり」なのか、「24時間働く営業マン」なのか、ポジションをはっきり決める
  • 目的があいまいだと、サイト設計や投資判断がぶれる

例えば、新規問い合わせを月10件獲得したい、という目的なら、それを前提に導線・構成を考えることができます。

2. ターゲット(ペルソナ)を具体化しているか?

  • 年齢・性別・職業・年収・居住地域など属性を明確に
  • 課題・悩み・検索行動(どんなキーワードで探すか)まで想定
  • ターゲットが変われば“訴求ポイント”も変わるため、広くぼんやりではなく絞り込みが大切

例:都内で中小企業の経営者、Webを自社で運用したい、中小BtoB業種 …など

3. 数値目標を設けているか?(KPI設計)

  • 目的を達成するための定量指標(KPI)を設定する
    • 例:月間アクセス数、問い合わせ数、申込数、CVR(成約率)
  • 短期・中期・長期の目標も分けて設定
  • KPIがあるからこそ、改善の方向性が見える

例:「半年後に月間問い合わせ10件 → 1年後に20件」など

4. 競合/類似サイトを分析しているか?

  • 自社と近い業種・規模のサイトで、強み・弱みを洗い出す
  • 構成、訴求文、デザイン、導線、事例紹介などを比較
  • ベンチマークサイトを3〜5つ以上ピックアップ

分析結果をもとに、自社の差別化要素を探します。

5. 成果につながる主なコンバージョン(CV)は何か?

  • 問い合わせ、見積依頼、資料ダウンロード、導入相談、予約予約、会員登録、購入など
  • 目的に応じて主要な CV を決め、全ページの導線やボタン配置をその CV に向かわせる
  • 副次的な CV(メール購読、SNSフォローなど)もあると良い

6. 目的とページ構成が対応しているか?

  • 目的に必要なページ(例:サービス紹介、料金、事例、お客様の声、FAQ、ブログなど)を洗い出し、サイトマップ化
  • 各ページがどの目的・CVを支えるか関連付け
  • 過剰なページは削る、足りない要素は補強

例:問い合わせを増やしたいなら、導線が弱いページ(事例・実績紹介・比較表など)を設ける。

7. 導線設計(回遊・誘導)が設計されているか?

  • ユーザーが自然に主目的の CV に至る導線設計(フロー設計)
  • ナビゲーション、パンくずリスト、内部リンク、CTA(クリックボタン)の設置場所と文言
  • 離脱リスクの高いページからの再誘導設計(関連記事表示、アップセル誘導など)
  • スマホ導線(スクロール・タップしやすさ)を特に意識

8. 更新/運用しやすい仕組みか?

  • CMS(WordPress など)を導入すべきか、または静的構成か
  • 自社で更新可能な項目(お知らせ、ブログ、事例、FAQなど)を明確化
  • 更新権限・担当者・運用フローを事前に決めておく
  • 保守体制(セキュリティ対応、バックアップ、バージョン更新など)を設計

9. SEO・アクセス解析との連携設計があるか?

  • Google Analytics/Search Console/タグマネージャーなどを導入設計
  • 各ページに対して適切な meta タグ(title、description)、見出し構造、URL設計、alt 属性設計などを検討
  • キーワード設計(主キーワード、副キーワード)とコンテンツ配置
  • 定期的な効果測定 → 改善設計を前提にする

“目的 → KPI → SEO設計 → 導線設計 → 改善” の流れを見据えておくことが重要です。

10. 社内の合意・決裁フローを整えているか?

  • 目的と設計方針を社内で共有し、主要関係者(代表者、営業部門、管理部門など)の合意を取る
  • 最終決裁者を把握しておく
  • 途中での意見のズレが出ないよう、段階的なレビュー・承認ポイントを設ける
  • 仕様や要件を文章化して残す(ドキュメント化)

実践チェックリスト(印刷・共有用)

以下は、制作や打ち合わせで実際に使えるチェック表フォーマット例です。

■ 中小企業向けサイト目的設定チェックリスト

□ 1. 本当の目的(例:問い合わせ増、販売、採用、信頼獲得など)
□ 2. ターゲット像(ペルソナ)を定義済み
□ 3. KPI/数値目標を設定済み(短期・中期・長期)
□ 4. 競合/参考サイトを分析済み
□ 5. 主なコンバージョン(CV)を決定済み
□ 6. 必要ページを洗い出し、目的対応構成済み
□ 7. 導線・回遊設計案がある
□ 8. 更新・運用方法と担当者を設計済み
□ 9. SEO・解析連携設計済み
□ 10. 社内合意・決裁体制を整備済み

このリストをもとに、制作会社や社内関係者と話すときに一つずつ「YES/NO」で確認していくと、抜け漏れが防ぎやすくなります。

なぜこのチェックが重要か(背景と事例)

  • 目的不明のまま進めると、後から変更が難しくなる
    目的が曖昧だと、後半で「やっぱりこうしたい」となって修正や手戻りが多発し、コスト・納期のロスにつながります。
  • 目標(KPI)がないと、成果の正否が評価できない
    「アクセスは多いが問い合わせが来ない」などのミスマッチが起きても、原因を特定できません。
  • 更新が難しい構成では、長期運用で放置されがち
    公開後に放置され、情報が古くなるのはよくある失敗パターンです。運用しやすさは初期設計段階で固めておきたい要素です。
  • 社内ズレ・決裁フロー未整備による差し戻しや仕様変更リスク
    担当者レベルで決めて進めても、後から経営層・他部署の意見が入り、方向転換を余儀なくされるケースがあります。

こういったチェックリストに沿って、自社のサイト運営を見直すことで、活きたWebサイトに変えていくことも出来ます。内容で不明点があれば、AIミライデザイナーの30分無料相談もご活用ください!

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この記事の監修者

脇村 隆

1997年のインターネット黎明期よりWeb制作に従事。イニット(現・トランスコスモス)、ぴあデジタルコミュニケーションズ、NRIネットコム等にて、HTMLコーダー、ディレクター、プロデューサー、コンサルタントとして大手企業Webサイト構築の下流から上流まで一貫して担当。
コーポレート/サービス/金融機関サイトの再設計や情報設計を軸に、自然検索からの集客向上とCV改善を多数実現。2012年にプラス・ムーブメント合同会社を設立し、14期目を迎える現在もWebサイト制作・PR支援を展開。商工会・自治体をはじめ公的機関案件を12年連続で継続支援し、運用内製化や業務効率化(kintone等)まで伴走。
単著『アフィリエイターのためのWeb APIプログラミング入門』をはじめ、各種セミナー登壇多数。GUGA 生成AIパスポート(2025年6月取得)を保有。
現在は「AIミライデザイナー」代表として、戦略立案からWebサイト実装・SEO対策、集客後のAI・DX推進までを伴走型でワンストップ提供。